(目次): 第一章 「低IQ社会」の出現・・あなたは「低IQ社会」の一員 に甘んじていないか 第二章 官製不況の根は「知の衰退」 第三章 一億総「経済音痴」 第四章 政局と「集団知」 第五章 ネット社会と脳 第六章 無欲な若者と学力低下 第七章 「集団IQ」を高める教育改革 第八章 「低IQ社会」で得をしているのは誰か 第九章 勝ち組から学べ 第十章 21世紀の教養 (内容): 今の日本は、ものを考えない低IQ社会となってしんまっている。原因はマスコミや政治家などによる影響(洗脳)とある程度生活できるレベルで満足してしまうスモールハピネスという考え方からきている。著者の視点は常に世界にあり、世界の中における日本の位置づけという考え方が常にある。経済・政治・学力・教育レベル・生活レベル・医療制度・税金制度・地方分権等々に及ぶ。 元々企業経営コンサルタント・国家アドバイザーである氏の考え方がそのまま反映されている。スモールハピネスは世界との競争の中でいずれ成り立たなくなっていく。だから大国(アメリカ、中国)、中規模国(ドイツ、韓国)、小規模国(アイルランド、デンマーク、フィンランド、スウェーデン)の各々から学び、世界の大国として生き延びていく力をつけなければならない。世界のリーダーシップをとれる位にならなければならない。と説いている。英語・IT・ファイナンスの知識は三種の神器として必須であるとも説いている。 (コメント): 大前研一氏の日本国民へのメッセージ的本です。 「本書はここ数年日本で起こっているさまざまな現象について私の見解を”集団知”というフィルターを通して述べたものです。 言わば、私流の”21世紀の日本人論”である。」と著者自身が述べていますが、今後日本人は自分自身で考える力をつけて、IQを高め、自分で答えを見つけるすべを身に付けてほしいという願いが込められています。実際著者の現在の活動は教育に重点を置いているといっても過言ではないでしょう。 全体を通して、自分も低IQの一員であると気づき、思わず苦笑いしてしまう場面が多々ありました。 ユニークな生き方をしている私としてはよく理解できますが、リスクを避けて出来るだけ楽に生きたいと考えている多くの人達に、今現在の時点で理解を求めるのは難しいように感じます。 しかし、2009年に民主党が大勝したという結果から、国民の多くが「現状を何とかしたい・何とかしてほしい」という気持ち(危機感?)が強いことも確かであり、こういう状況に底力を発揮してきた日本人だけに、この本の内容は誰しもどこかに共鳴する部分があるかもしれない(2009年末執筆)。
(目次): 序章 大きく変わる世界の潮流を読み解こう 第一章 金融の時代が終わり、実物経済の時代へ 第二章 本格的インフレというメガトレンド到来 第三章 新興国の成長で資源、食糧、環境すべてに投資不足 第四章 日本の産業構造が激変するのもメガトレンド 第五章 機関投資家の運用にも厳しい環境が待っている 第六章 個人金融資産は預貯金指向から投資へシフト 第七章 日本の金融ビジネスに地殻変動と新風が 終章 時間を味方につけて、おおらかな運用を心がけよう (内容): キーワードは実物経済・インフレ・生活必需品の高騰・<資源・食糧・環境>業種・代替資源国日本・年金制度改革・機関投資家の自己変革・長期保有型ファンド・預金から投信・新しい金融機関の台頭・長期資産形成には株式投資、など。 (コメント): 今後の世界経済、日本経済を占う上で参考になる見方です。 特に<新しい金融機関の台頭>というのは嬉しい傾向です。筆者も述べていますが、今の金融機関は殿様商売であり、お客様の利益などはほとんど考えていません。それは各種手数料の高さや金利の設定などを見れば明らかです。護送船団方式で国に守られてきた為、農協をはじめとする公的機関と体質は同じものを持っています。と同時に貸し剥がしをするなどヤクザ的な面を併せ持っています。 こういった不信感はバブル崩壊以来払拭されていません。筆者が上げる利用者利便を追求する新しい志高き変革者「おらが町の投信」「ありがとう投信」「セゾン投信」「浪花おふくろ投信」「かいたく投信」「楽知ん投信」「ユニオン投信」「コモンズ投信」などには是非頑張ってもらって、応援していきたいと思います。
(目次): 目次> 第一章 2010年末、恐慌突入 第二章 1ドル=10円の時代 第三章 中国が引き金を引く「ドル亡き後の世界」 第四章 「金融時限爆弾」が破裂する日 第五章 日本は保有する米国債を売却せよ 終章 「ドル亡き後の世界」を生き抜く 巻末 底力ある企業60株の一覧 (内容): 副島氏のシナリオでは、今後ポイントとなる時期は、2010年2月冬季オリンピック(↓↑)、2010年末〜2011年初頭(↓)、2011年オバマ大統領失脚(?!)、2012年ドン底の1ドル=10〜30円。 簡単にはこのようなシナリオでアメリカ経済と共に世界は恐慌に突入していくが、その過程では多少の浮き沈みの波がある。中国が意を決して米国国債を売り払い暴落させればその時が本当の世界恐慌突入である。「オバマ大統領の任期途中での辞任とヒラリー大統領の登場」というシナリオは副島氏の唯一オリジナルな大胆な予測です。 圧倒的人気を誇ったオバマ大統領の失脚を公言する人は世界を探しても他には見当たりません。日経平均はその間に5000円を割り4500円の最安値をつける。ドルは2010年末から80円を割り始め、2012年には30円〜10円となる。 株式市場は政府のお手盛り。3月からの上昇は人為的なヤラセである。ここで儲けたのは大半がプロたちである。米ゴールドマンサックスが先物市場でのバクチの繰り返しで一人勝ちしているのには理由がある。 サマーズ元財務長官NEC委員長はオバマ大統領の子守番、オバマ氏との共同責任で失脚する。 中国は通貨体制の見直しを公言し、ドル基軸通貨体制に大手をかけた。アメリカの追加経済対策も2010年初には効果が無くなる。グリーンスパン前FRB議長はロックフェラー帝国の墓堀人だった。アメリカ自身もドルの信用力を疑い始めた。アメリカ金融機関のストレステストは実際には大銀行19行とSEC検査官のペーパーでのやり取り(立ち入り検査無し)が全てだった。体のいいお手盛りの政府主導の粉飾決算である。 1ドル=10円はデリバティブの処理から導かれる、これをアメリカはデノミで実施するだろう(借金の縮小化)。ウォーレンバフェットやジョージソロスはCDSを金融核爆弾・大量破壊兵器と警告していた。既に80兆円の厚生年金が米での運用失敗で消えた。 中川昭一元財務大臣の酩酊会見には財務官僚の玉木林太郎、篠原尚之、読売新聞記者の越前谷智子が関わっている。アメリカに物言った中川氏はロックフェラーの手先に殺された。アメリカに洗脳しつくされた財務省の売国官僚たちを厳罰に処せ。 2009年6月に新興4カ国(BRICs)で米ドルに代わる新たな国際通貨について話し合った。 10年後を見越せば底力のある企業がある(巻末60社)。 (コメント): 副島隆彦氏の最新の発刊書である。毎度ながらの鋭い視点と事実の積み上げによる大胆な予測、そしてその単刀直入な口調には恐れ入る。 読後、改めてアメリカ政府や日本官僚に対する憤りの念を抱かせる。世界(アメリカ)のパワーエリートたちの舞台裏を伝える副島氏の勇気と洞察力には頭が下がる思いです。 この本に記載されている内容を真実として信じるかどうかは、読者の洞察力・情報力・判断力によるでしょうが、これまでの副島氏の実績から言うと信じてもいいのではないでしょうか。